新型コロナウイルス・インフルエンザ感染症対策―1
〜除菌・消臭水(微酸性次亜塩素酸水)の有効性と特長について~
【サニー除菌水(次亜塩素酸水とは何か)】
図 に「次亜塩素酸水」と「次亜塩素酸イオン水=次亜塩素酸ナトリウム水溶液」の違いを示します。殺菌力の主体は、どちらも「次亜塩素酸」で、pH に依存して性状が変化するのが特徴です。厳密には、「次亜塩素酸水」は、次亜塩素酸(HOCl)が主な有効成分で、中性付近の pH で高い除菌効果を発揮します。
一方、「次亜塩素酸イオン水(次亜塩素酸ナトリウム水溶液)」は次亜塩素酸イオン(ClO-)が主な有効成分で、アルカリ性の pHで高い除菌効果を発揮します。両者は、名称が似ていることから混同されやすいのですが、安定性の観点からは大きく異なります。
「次亜塩素酸イオン水(次亜塩素酸ナトリウム水溶液)」は、アルカリ性ですので、皮膚刺激があります。日常的に使われているキッチン用漂白剤やカビ取り剤の主成分が「次亜塩素酸ナトリウム」です。強いアルカリ性であるため、金属腐食の促進がついて回ります。
これに対して、「次亜塩素酸水(弱酸性次亜塩素水、微酸性次亜塩素水)」は、pH が中性付近(pH4.5〜pH7.5)であり、皮膚刺激性が極めて少ないのが特徴です。そのため、手指の除に使用することが可能です。
【新型コロナウイルス・インフルエンザ消毒・除菌対策-2】
厚生労働省は令和3年10月21日に官報で、次亜塩素水の連続気化噴霧(噴霧器)の実施は、安全性情報や使用上に注意等を守って適切に使用してください。と発表しました。
また、「一般社団法人次亜塩素化学工業会」の報告から、微酸性次亜塩素水の連続気化噴霧の実施事例を有しており、実施した施設において微酸性次亜塩素水を噴霧したことによる居住者の健康被害は皆無との情報を得ています。
以上のことから、「微酸性次亜塩素酸水の連続気化噴霧による感染リスクの低減効果」については、以下のことが示唆されます。
1)常時、気化した安全な濃度の次亜塩素酸が室内空気中に存在することで、ウイルス飛沫核や病原微生物による、エアロゾル感染リスクを低減することが期待できる。
2)壁面、天井、家具・備品、床面などに付着したウイルス飛沫核や病原微生物に次亜塩素酸が作用し続けて、不活化することで、再感染リスクを低減することが期待できる。
また、微酸性次亜塩素酸水の直接噴霧や清拭を併用することによって、テーブルなどに付着するウイルス等の微生物の不活化・殺菌効果が高まり、新型コロナウイルス、インフ
ルエンザウイルス、ノロウイルスの感染予防が期待できると考えます。
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今後、空気が乾燥するにつれて空中に漂うウイルスも乾燥して飛沫核というより細かなものが増えます。その場合浮遊し続けるウイルス対策として、上記のような次亜塩素酸水の
ミストや空気を吸い込んで除菌する空気清浄の役割が増すと思われます。
実際、衝立のような物理構造での管理は一定の効果はあるものの、万全とは言えないようですが、空間の除菌こそが最重要になります。